一般的に、介護が必要な高齢者が(主に)日中を過ごすためのデイサービスでは、ご利用者様がいらっしゃる時間帯に音楽を流していることが多いと思います。
私たちの施設でもそうです。動揺や唱歌など、高齢者の琴線に触れる楽曲も良いのですが、私たちの施設にいらっしゃる方々は、ご自身の力で生活することができる方、まだまだ若い感覚をお持ちの方がたくさんいらっしゃいます。
社長も『私たちの施設は、今までの高齢者向けの施設とは少し違う、サロンのような雰囲気を作る』と、考えており、それに沿ったBGMも考えています。
一年前、施設が開設されたとき、会社が用意したヒーリング系やジャズの他に、山本恭司さんがプロヂュース、演奏した“六弦心”や浜口祐自さんのアルバムなど、私自身が聴いてきた音楽の中から選んだものも加えていきましが、ご利用者様が増え、音楽のリクエストも承ることも起きました。
それがWes Montgomeryの“The Wes Montgomery Trio”です。1959年に録音されたライブ・アルバム、これがご利用者様のお一人の思い出のアルバム、音楽だったそうです。今はCDの操作も難しがられて、聴くこともなくなっていたアルバムを再び聴くことができ、とても喜んでくださいました。
お一人の好みに合わせて音楽を選ぶわけにはいきませんが、“The Wes Montgomery Trio”は聴きやすく軽快な曲も多いので、リクエストをいただけて、かえって幸いです。
Round MIdnight / Wes Montgomery
Round MIdnight / Wes Montgomery
もう一枚、ジャズのアルバムを加えてみました。
Wynton Marsalisの“Marsalis Standard Time Vol.1”です。タイトル通り、“枯葉”などのジャズ・スタンダード・ナンバーばかりのアルバムで、これも聴きやすいと思って選んでみました。ずっとギターが主人公の音楽ばかり選んできましたが、初めてのトランペットが主役のアルバムです。
10年前、私が介護の現場に入ったころ、
『いずれ介護施設でも(BGMに)ビートルズが流れる時代が来る』
と、言われていましたが、現状はまだそこまで達していないように感じています。要支援や要介護が必要になる年齢が高まって、ビートルズが先送りされているのかな?とも思えます。