2015/06/21

昔の記事(2010/6/22)から_奈良漬け食べて

 昔気質な方は、誰かに「おすそわけ」をするのが大好きです。
 今、デイサービスに勤務していて、通所されている方の中にも、『これ作ってみたから』とおっしゃって、他のご利用者様や職員のためにお惣菜などを持参される方がいらっしゃいました。
 会社としては、そのようなご利用者様同士や職員への物品のやりとりなどはご遠慮いただいており、その説明や施設内でお願いの掲示もしていますが、それでも『あげたいものはあげたい』というお気持ちは収まらないようです。
 先日、
『これ作ってみたから』と、お惣菜のやりとりがあったので、改めてご利用者様同士ではご遠慮いただくことをお願いしました。それ以降、その方は、私が挨拶してもプイっと顔を横に向けてしまいますw辛いところだけれど、万一にも衛生上の問題が起こさないためにも言わなければなりません。
 加えて、そのようなやりとりをできるだけの経済的なことや、身体能力的なことなどから、やりたくてもできない方もいらっしゃいます。世知辛いようですが仕方がありません。
 今、デイサービスに勤務していて、以前の職場、特養でも同じようなことがあったな…と思い出しました。以下、昔の記事です。
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 先週くらいまで夜勤が連続していたときに、入所者Oさん (80代、女性)から毎回のように「奈良漬け」をいただいていました。
 どうやらOさんは、私が「奈良漬け大好き」と思い込まれていたようです。何を根拠にそう思われたのかが未だに不明なのですが、とにかく6回にわたって奈良漬けをいただきました。
 その奈良漬けは、週に一度、出張販売に来る市内の食品店からOさんが購入し、共用の冷蔵庫にストックされていたようです。大きな奈良漬けを半分に切って、夜勤が始まって間もない時間帯に私に手渡してくれて、私は17時の夕食の際にいただいていました。
 実のところ、私は「奈良漬け大好き」ではありません。嫌いではないけれど、週に2~3回はちょっと頻度が高いと思います。ご厚意なのでありがたいのですが...

 本当は、入所者が職員に供応することは施設としては禁じています。しかし、Oさん以外にも数名の方が、職員に食べ物などを手渡すことはあります。飴を数個とかといったお菓子類が多いようです。どちらかというと女性入所者の方がその傾向があると思います。高い場所にある衣類などを取ってあげたりとか、ほんのちょっとした介助をしただけで飴を手渡されたりといった具合です。
 「お礼に何か形になることをしたい」というのは自然な気持ちの現れかもしれません。ちょっと穿った見方をすれば、「自分によくして欲しい」という気持ちもあるのかもしれません。または人の喜ぶ顔を見たいというお気持ちもあるかもしれません。いずれにしても、ささやかな気持ちの現れです。
 でも、だいぶ前に、ある女性入所者の方から、「お礼にあげる」と、着ていた下着の中から暖かくなったマーガリンのパックを手渡されたときは少々参りました。

 施設からほとんど外出する機会の無い入所者の方々は、ご自分のお金の使い道がありません。ご家族がいらっしゃる方は、それなりに使い道がありますが、冒頭に書いたOさんは独身です。Oさんにとって、私たちへの労いのお気持ちの現れと、ご自身の楽しみの一つになっているのかもしれません。

2015/06/14

天気予報と過去の出来事


 上の画像は、東京・立川市の南西部を東西に走る〈富士見通り〉沿いのアジサイです。青、紫、ピンク、白、様々な色と種類の違うアジサイが、沿道の約1kmにわたって植えられています。
 この道路は、立川市立第四小学校の生徒たちの通学路でもありますが、生徒たちの黄色い傘と相まって、朝は彩りある通りになります。

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 デイサービスの小物に、一週間の天気予報と過去の出来事を書いたものを作ってみました。
 ご利用者様が着席するテーブルに置く、飲み物のメニュー表の裏面です。


 まだ試作品なので、デザインは改良していきたいと思いますが、天気予報と過去の出来事のメモは、ご利用者様たちに興味を持ってもらえる題材だと思ってます。
 私たちは〈機能訓練型デイサービス〉なのですが、だからといって運動や機能訓練ばかりを行っているわけではなく、それ以外の時間も楽しんでいただきたいと思っています。
例えば、施設に到着してからの30分は、お茶を飲んでいただきながらリラックスした時間を過ごしていただきます。そんなときに、ご利用者様同士の会話が弾むような小道具が欲しくて、作ってみました。
 誰にでも話題にしやすいこととして、天気のこと、ご自分たちの記憶に残っている過去のことなどは最適かもしれません。

過去にあった出来事は、ネット上で調べ上げてくれている人たちはたくさん居ます。その中から昭和の戦後のもの、中にはリアルタイムでその場を体験された方もいらっしゃることを想定しながら選んでみていく予定です。

 天気予報は、日本気象協会(tenki.jp)のデータを使いますが、これがなかなか便利な使い方を初めて知りました。
 会社ではブラウザにInternet Explorerを使っていますが、画面上で右クリックするメニューの中に、Excelの表を生成してくれる機能があります。


 tenki.jpの予報は10日間天気ですが、これを一週間単位で表作成させることも容易です。


 webページから生成された表の必要な部分をコピー&ペーストして、天気画像を貼り付ければ出来上がりです。

 ただ、前週の金曜日に作っておくと、土日の間に予報が変わってしまうこともあります。「おおまかな予報」くらいに見ていただくか、予報が変わったことは口頭で説明するか、月曜に作り替えるかで対応してみるつもりです。

 介護保険法は3年に一回の改正が行われ、今年の四月はそれに当りました。今回の改正は、私たちのような〈通所事業所〉には厳しいものでした。
今日、会社の全体会議があり、その中で収支報告がされましたが、3月と介護報酬が減額された4月を比較すると、見事に1割の売上げ減でした。ご利用者様は増えているのに売上げが大きく減っています。
 更に従来の〈要支援〉が〈総合事業〉となって、国から市町村直轄に移行(立川、昭島は来年度)することや、納税額の高い方の介護サービス費の自己負担が1割から2割に増額されることなど、厳しい環境に取り巻かれています。
 そんな中で、ご利用者様へのサービスの向上は譲れません。社長の「極めて気持ちの良い施設に」という強い意志を受けて、小さなことでも工夫は重ねていきたいです。